平野 文子 Fumiko Hirano

真昼に見る夢のようなもの The kind of Dream You Have at Noon

Artwork

子供の頃、昼寝をしていてよく夢を見た。
今思えば現実であるわけがないような夢も、当時は夢なのか本当の事なのか、途中からわからなくなったりしていた。

真昼に見た夢は記憶の狭間に入って、今はもうおぼろげにしか思い出せない。

記憶だと思っていた子供の頃の思い出も本当は夢だったのかもしれない。
夏の砂丘で見た蜃気楼みたいに、真昼に見た夢は儚くて、なかなかつかめない。

いつも、自分が何を見たいのかわからなくなってしまう。
自分がいったい何を作りたくて何を探してるのかわからなくなる。
ドキドキしたり、うっとりしたりしたいのに、そういうものは自分ではうまくつくれなかったりする。

記憶にすらなっていない、かけらみたいなものを拾い集めてもう一度見て見たいから映像をつくっているのかもしれない。